狂犬病予防法という法律があります。この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的としています(第1条)。
狂犬病は感染し発症するとほぼ100%死亡する大変恐ろしいウイルス感染症で、人間を含めた全ての哺乳類に感染します。狂犬病ウイルスに感染している犬や野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの感染したり、稀ですが濃厚なウイルスによる気道粘膜感染により発症します。
世界保健機関(WHO)によると全世界で毎年3万5千人~5万人が狂犬病により亡くなっています。日本での狂犬病は1957 年に猫を最後に撲滅されました(1970 年ネパールで野犬に咬まれ帰国後発症し死亡、2006年2例報告あり)。その要因は犬への定期的なワクチン接種、検疫制度、島国であるということが言われています。
検疫制度が確立していると言えど、国際的な流通が発展している現代では狂犬病ウイルスがいつ国内に入って来てもおかしくないという見解もあります。そのため、日本では予防の徹底・公衆衛生向上のために、犬の場合、年に1回の狂犬病予防接種が義務づけられています。愛犬も大切な家族の一員ですので、毎年の予防をかかさずケアしていきましょう。
当院では4-6月は健康診断キャンペーン(予防と一緒にできる血液検査)も実施していますので、気軽にお声かけください。
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