フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊の媒介によりフィラリアという寄生虫が犬猫の心臓や肺動脈に寄生する感染症です。感染し成虫が寄生して病状が進行すると、運動不耐性や咳、呼吸困難、心臓病(右心不全)、大静脈症候群といった症状がみられるようになります。
予防薬の種類は様々なタイプがありますが、一般的には月に1回の内服で毎年5-12月まで予防することが多いです。通年で予防される方も多いです。この5-12月の時期は蚊が出始めてから蚊がいなくなってから1ヶ月後までの期間です。11-12月のような寒い季節だと、蚊がいなくなるので予防しなくてもいいのかなと思いがちですが、実は12月までしっかり予防薬を飲むことが非常に重要です。
予防薬と言っていますが実は幼虫の駆虫薬で、月に1回の内服でも1か月間ずっと薬が効いているわけではありません。知らない間に蚊に刺されて感染しているかもしれない特定のフィラリア幼虫に対して、内服した日に駆虫効果を発揮するものです。そのため、11月上旬に薬を飲ませた数日後にフィラリアを媒介する蚊に刺されてしまった場合、12月に薬を飲まないと幼虫がそのまま成長して成虫になり心臓に寄生してしまいます。成虫は一般の予防薬での駆虫はできませんので、一度寄生されてしまうと厄介な感染症です。
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